【重要文化財】東大寺「戒壇堂(戒壇院)」銅造「釈迦如来坐像」&「多宝如来坐像」の年代(歴史)や造立方法・作者を‥‥‥知りたぃ❓

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奈良 東大寺「戒壇堂(戒壇院)」銅造「釈迦如来坐像」&「多宝如来坐像」【重要文化財】

奈良 東大寺 銅造釈迦多宝如来坐像⬆左:「銅造・多宝如来坐像」 :「銅造・釈迦如来坐像」

造立年

  • 不明
  • 752年(天平勝宝4年)から767年(天平神護3年)/奈良時代
像高

  • 釈迦如来坐像:約24.5㎝
  • 多宝如来坐像:約24.2㎝
材質

重要文化財指定年月日

  • 2013年(平成25年)6月19日
作者

  • 不明(鑑真和上の持仏)

銅造釈迦如来坐像」&「多宝如来坐像」の読み方

「銅造・釈迦如来坐像」は「しゃかにょらいざぞう」と読みます。もう片方の「銅造・多宝如来坐像」の読み方は「たほうにょらいざぞう」と読みます。

「釈迦・多宝如来坐像」の特徴

本像は、もともとは戒壇堂(戒壇院)の中央壇上の金銅製六重多宝塔の内側に安置されていたものです。東大寺の創建当初から、現存している数少ない仏像となります。

二像とも蝋型(ろうがた)の原型で造立された一鋳(いっちゅう/=全形を一度に鋳成する方法)製法の仏像となります。ただし、像表面にわずかに見られる金粉の漆の文様は江戸時代に付けられたものです。

像が2つ並んでいる理由

「釈迦如来坐像」「多宝如来坐像」という2つの像が並んで配されるという作例は、中国・南北朝時代の北魏以降の時代では多く見られた例です。

この二仏の印の結び方(腕や手の配置)が珍しいことから、法華経経典の内容に基づいた鑑真大和上の教えに配慮して造立されたとも考えられています。

法華経の中に「見宝塔品(けんほうとうほん)」という項があり、この内容によれば、お釈迦様が教えてを説いていたところ、なんと!突如、眼の前に地中から宝塔が飛び出てきて、その宝塔の中には釈迦の説法に聞き入る多宝如来が座っていたそうな。

お釈迦様が中を覗き見ると、多宝如来は自ら座していた蓮座を半分ゆずって”ここにお座りください”と示唆したことから、このような2仏を祀る例が誕生したとのことです。

珍しい「手印」!

二像のうち、特に注目すべきは釈迦如来坐像の手印の型です。釈迦如来が組んでいるのは「説法印(せっぽういん)」と呼ばれる印相ですが、よくみると両手の中指だけ手前に曲げています。通常の説法印は向かい見て左手は伸ばしている例が多いのですが、本像は両手の中指を折り曲げているという大変、稀有な像です。

東大寺ミュージアムの誕生釈迦仏立像に似ている!

また、二像を一見すると、東大寺ミュージアムに安置されている「国宝・誕生釈迦仏立像」に似ていますが、まったく別の仏像です。

二像とも作者は違うのか?

ほかに疑問が生じるとすれば、二像とも作者が同じなのか違うのか?はたまた、年代が二像それぞれで異なるのか?などになると思いますが、現在までの仮説では二像の作者は同じとされています。これは作風や材質、それと個性あふれる作風が加味されての結果となっています。

二像の年代は異なるのか?

それともう1つ、この二像が造立された年代についてですが、東大寺の寺伝によれば鑑真和上が中国から渡ってきたときに持仏として抱えていた像だと伝えられていますが、本像の分析や考察の結果、鑑真和上が存命だった時代(鑑真和上は763年で入滅)より少しあとの、平安時代初期あたりに造立された仏像である可能性が示唆されています。

現在の戒壇堂の「多宝如来像」「釈迦如来像」はニセモノだった??

実は現在、戒壇堂内に安置される「多宝如来像」「釈迦如来像」は、本物を巧みに模して造立されたものです。

では、本物はどこにあるのか?・・についてですが、本物は現在、東大寺ミュージアムに展示されているとのことです。

そして、戒壇堂での法要の時にのみ、戒壇堂へ遷(うつ)されるようです。

東大寺・戒壇堂(戒壇院)の場所(地図)

東大寺戒壇院は東大寺境内でもっとも西端に位置します。大仏殿を向かい見て左手の方角に位置します。

奈良駅から東大寺・戒壇堂への行き方

JR奈良駅および近鉄奈良駅から奈良交通バス「春日大社方面行き」へ乗車して「奈良県庁前」で下車
↓(徒歩約10分/距離約600m)
戒壇堂

大仏殿から戒壇堂への行き方

東大寺・戒壇堂の場所は東大寺大仏殿と国道369号線の間になります。南大門から東大寺・大仏殿へ入り正面、左脇です。
※近鉄・JR奈良駅からもっとも近い東大寺境内のお堂です。

  • 大仏殿から徒歩約4分

東大寺・戒壇堂(戒壇院)についての詳細は以下の別ページにてご紹介しています。

 関連記事:奈良 東大寺・戒壇堂(戒壇院)【史跡名勝天然記念物】

東大寺・戒壇堂(戒壇院)のお問い合わせ先(住所・電話番号)

住所:奈良市雑司町406-1(東大寺内)
電話番号:0742-22-5511(東大寺・寺務所)

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