東大寺ミュージアムの見どころと国宝仏像を‥‥知ってみたぃ❓

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東大寺ミュージアムはいつできた?

東大寺ミュージアムは、東大寺の境内にある東大寺総合文化センター内に、2011年10月に開館しました。

国宝や重要文化財の展示物等を通じて、東大寺の歴史と「東大寺の意義」を知ることのできる施設になっています。

建物は、貴重な展示物を守るため、600平方メートル程の展示室には免震構造が備えられています。

奈良県・東大寺ミュージアムが作られた理由と作った人って誰?

東大寺ミュージアム最大の見どころ

東大寺ミュージアムの見どころは、何と言っても「展示物」です。

2018年現在は、2013年10月10日からの「東大寺の歴史と美術」展が開催されています。

第1室から第5室まで、部屋毎にテーマを掲げて、観る人に理解しやすくしています。

東大寺ミュージアム・2018年リニューアルの内容

東大寺ミュージアムは、照明の交換工事などのための長期休館を経て、9月15日にリニューアルオープンしています。公開されている宝物に変更はありませんが、以下のような点が変わっています。

  • 展示品の表示板に英語の説明を追加
  • 照明をLEDライトに一新
  • 入口に映像ブースを新設

まず、年々増加する外国人観光客にも展示をより深く楽しんでもらうため、英語の表示板が付けられました。

館内の照明については、開館当初からLED照明を利用する設計となっていたものの、光量や色合いが満足いくものとならない部分は、電球の照明を併用していました。

開館から7年が経ち、LED照明も進化を続け、すべての展示に当初の計画通りの水準でLEDライトを導入できる見込みが立ったということで、今回のリニューアルでは、照明を最新のLEDに交換しています。

これにより、展示品を照らす角度や照明の色合いを調整できるようになり、約50点の展示品それぞれに合った色合いの照明で展示することが可能になりました。

例えば、重要文化財の千手観音菩薩立像の展示ブースは、以前は明るい照明でしたが、寺の堂内で拝観しているような雰囲気の、柔らかい明かりに変わっています。

今後は、期間限定で照明の具合を変えて展示品を公開することも検討されています。

リニューアルの目玉!大スクリーンの映像ブース

引用先・朝日新聞社

今回のリニューアルで、入口を入ったところに、映像ブースが設けられました。

映像は、大仏造立や修復に関わった人々の思いを伝え、東大寺や大仏の歴史を国内外の幅広い世代の参拝者にわかりやすく伝えることを目的とし、常設展示されます。

上映される映像作品の内容・特徴

映像は、大仏造立の起源などが記された「大仏縁起絵巻」や「開眼供養図」、「大仏殿虹梁木曳図(だいぶつでんこうりょうこびきず)」などの史料のデジタルアーカイブデータと、凸版印刷株式会社が2010年に製作したVR(ヴァーチャルリアリティ)作品『東大寺 大仏の世界』を活用して作られました。

また、2018年8月15日に開催された「万灯供養会」を4Kカメラで撮影した最新映像も活用されています。

奈良の大仏が、奈良時代に造立されてから、戦乱などにより被害を受けながらも、鎌倉時代・江戸時代に修復され、復興を遂げてきた歴史が、絵巻物などを用いて解説されています。

また、造立・修復に携わった聖武天皇、重源上人公慶上人や一般の人々にもスポットライトを当て、人々の思いが現在まで受け継がれていることもわかる内容となっています。

 

東大寺大仏殿・大仏の歴史については、それぞれ、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。

 奈良・東大寺の大仏殿の「由来・歴史・見どころ・仏像(画像付き)」でご説明!

 奈良・東大寺の大仏の「大きさ(高さ・重さ)・名前・歴史・特徴」(画像・写真付き)

スクリーンの大きさ・特徴

  • メインスクリーン:1000cm×180cm
  • サブスクリーン:360cm×180cm

展示室の壁面に、2枚のスクリーンがL字型に配置され、映像は4台のハイビジョンプロジェクタで投影されます。

メインスクリーンには、絵巻などの映像が映し出されます。

年数を経た史料も、高精細にデジタル化することで、そこに描かれた人物の表情まで見て取れるようになっています。

サブスクリーンには、大仏殿の観相窓越しに見える、現在の大仏様のお顔をが映し出されます。




東大寺ミュージアムの館内図

東大寺ミュージアムは1階のみです。2階はありませんので、正倉院展のような規模はありません。

ただ、像高2メートル〜3メートル近い仏像が展示されていますので見応えはあります。

有名な国宝の誕生釈迦仏も東大寺ミュージアムでお目にかけることができます。

注意点

東大寺ミュージアムの館内は写真撮影禁止です。

東大寺ミュージアムの展示内容・見どころ

第1室・「創建期の東大寺」

第1室・「創建期の東大寺」

引用先・朝日新聞社

「鎮壇具(ちんだんぐ)」「伎楽面(ぎがくめん)」の展示

東大寺金堂(大仏殿)の「鎮壇具(ちんだんぐ)」や、「伎楽面(ぎがくめん)」等を陳列しています。

「鎮壇具」とは、寺が堂を建てる時に土地の神を鎮めて災いを退けるためのもので、建物の基礎の部分や仏像を安置する須弥壇(しゅみだん)の下に埋める品々のことです。

東大寺金堂(現在大仏殿)の「鎮壇具」は1907年から1908年に大仏さんの須弥壇の周囲から見つかったものです。

この時に、大刀や、銀製鍍金狩猟文小壺(ぎんせいときんしゅりょうもんのこつぼ)、蓋付の小さい容器の水晶合子(すいしょうごうす)、その他、様々な珠玉類などが発見されています。

「伎楽面」は、古代日本で演じられた仮面舞踏劇の伎楽に使われた仮面です。

伎楽(ぎがく)は、7世紀の初めに、百済(くだら)人が、中国から学んで日本にもたらしたとされる楽舞のことです。

当時は寺院の法会等で仮面をつけて行列を成し、楽器を鳴らして舞いながら、時には滑稽(こっけい)な芝居を演じたとされています。

東大寺には大仏開眼の時に使用された伎楽面が多数収蔵されており、仮面の表情はどれも個性的で、遠く異国の大陸文化を感じさせてくれます。

金銅八角燈籠の火袋羽目板【国宝】

  • 制作年代:奈良時代(8世紀)
  • 羽目板サイズ:たて幅:約101.7cm/横:約51.3cm

金堂(大仏殿)の前に堂々と立つ灯籠の羽目板の1つです。かつて8枚ある音声菩薩が彫られた羽目板のうち1枚が盗難に遭い、無事、発見されたのですが、羽目板の周囲が損傷し、現在は東大寺ミュージアムの入口付近に展示されています。

「金光明四天王護国之寺」の扁額

  • 制作年代:奈良時代(8世紀)

かつて奈良盆地に平城京が存在した頃、東大寺には西大門という現在の南大門を凌ぐスケールの門が建てられていました。

この西大門がかつて存在した証となる門に掲げられていた当時の扁額が東大寺ミュージアムの第1展示室(入口)から入ると真正面に展示されています。

たて幅が約1.5メートルものかなり大きな扁額なので見応えがあります。

中央には「金光明四天王護国之寺」という字が彫られています。

第2室・「東大寺の彫像(彫刻):奈良時代〜平安時代」

重要文化財の「千手観音菩薩立像」、国宝指定の「誕生釈迦(たんじょうしゃか)仏」、さらに菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)の彫刻、書跡と工芸品を陳列する、東大寺ミュージアムのメインとも言える展示室です。

誕生釈迦仏【国宝】

誕生釈迦仏【国宝】

  • 造立年:729年から749年(天平/奈良時代)
  • 国宝指定年月日:1952年(昭和27年)11月22日
  • 像高:約47cm
  • 材質:銅造鍍金

誕生釈迦仏」は、お釈迦さまが生まれて直ぐに歩きだして、右手で空、左手で地面を指しながら「天上天下唯我独尊(ゆいがどくそん)」の有名なポーズをしています。

東大寺の「灌仏会」といわれる行事でお祀りされている仏様です。

千手観音菩薩立像

千手観音菩薩立像

  • 像高:約2m70cm

千手観音菩薩立像」は、四月堂(三昧堂)に安置されていた仏像です。

全体的に丸みを帯びていて、胴は長く、腹部はふっくらとしていて一見子供のように見えます。42本の手先は優美で柔らかに表現されています。

月光菩薩立像【国宝】

「月光菩薩立像」【国宝】

  • 国宝指定年月日:1952年3月29日
  • 像高:約2m5cm
  • 材質:粘土
日光菩薩立像【国宝】

「日光菩薩立像」【国宝】

  • 国宝指定年月日:1952年3月29日
  • 像高:約2m7cm
  • 材質:粘土

そして上記、千手観音像の両脇には、国宝の塑造日光・月光菩薩立像が安置されています。両菩薩像とも2メートル以上もあります。

古来、多くの古美術愛好家に親しまれている像ですが、その伝来は不明です。

その他、重要文化財の「持国天立像(じこくてんりゅうぞう)」と「多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)」も必見です。

東大寺・三昧堂(四月堂)の拝観情報や見どころなどについては、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。

 奈良 東大寺・三昧堂(四月堂)【重要文化財】

第3室・「東大寺の彫像(彫刻):奈良時代〜鎌倉時代」

ここには、奈良時代から平安時代、平安時代から鎌倉時代の彫刻、絵画、工芸品などが展示され、美術品・工芸品を通して東大寺を取り巻く時代の流れを知ることができる内容となっています。

展示の目玉は、2015年に国宝に指定されたばかりの「弥勒仏座像」です。

この他、二月堂のご本尊(秘仏)の光背「二月堂本尊光背(重要文化財)」も見どころの1つです。

木造弥勒仏坐像【国宝】

  • 造立年:平安時代(9世紀前半)
  • 国宝指定年月日:2015年9月4日
  • 像高:約39.0cm
  • 材質:木造(カヤまたはヒノキ)
  • 造り:一木造 ※螺髪と右手先(・左手先)は別材

「木造弥勒仏坐像」は、大仏の試作品として作られたとも言われていたことから、「試みの大仏」の異名を持ちます。

しかし、平安時代の作品と考えられるため、実際は大仏の試作品ではないと思われます。

2015年に、平安時代前期の仏像彫刻の名作として、重要文化財から国宝に指定が変更されました。

国宝指定を機に、東大寺ミュージアムでは、独立したケースで「木造弥勒仏坐像」を展示するようになっています。

かつては法華堂(三月堂)に安置されていた像で、鎌倉時代には、東大寺の開山・良弁僧正自作の念持仏として尊ばれていました。

「木造弥勒仏坐像」の特徴

小さな像ですが、やや前に出た大きな頭部と広い肩幅、はっきりした顔立ちというように、全体的に誇張された表現が平安時代の仏像の特徴でもあり、平安時代の奈良における代表的な作品とされています。

また、この像は、本来は白檀(ビャクダン)などの香木を使って造る「壇像」を、香木が手に入りにくいためにカヤ(またはヒノキ)で代用して作った「代用檀像」だと考えられています。

壇像は、素材となる香木の堅さや香りの良さ、木目などを生かすため、一木造の像に繊細な彫刻を施し、一部を除いて彩色をしないのが特徴で、その多くは小像です。

東大寺の「木造弥勒仏坐像」も、これらの特徴をよく表しています。

なお、弥勒仏は「如来」と「菩薩」の両方の姿で表されますが、こちらの「木造弥勒仏坐像」は、頭の螺髪や右手の印相が施無畏印(せむいいん)であること、装飾具を付けていないことなどから、如来像と考えられます。

左手を伏せて膝の上に置く格好は弥勒像によく見られますが、この像が制作当初から「弥勒」と呼ばれていたかどうかは、わかっていないそうです。

第4室・「東大寺の聖教」「東大寺の絵画」「東大寺と正倉院」

第4室には、東大寺に伝わる絵画が展示されています。時代は平安時代や鎌倉時代、中国・明時代など様々です。

なお、東大寺ミュージアムは展示品が2、3ヶ月に1回変わります。

特集展示が行われることが多いです。

第5室・「東大寺の考古」

そして第5室では歴史を伝える古文書や記録を集めたコーナーがあります。

奈良時代の土器や須恵器、風鐸の展示、丸瓦や平瓦などの屋根瓦、木簡、など種類は様々です。

カフェ「葉風泰夢(さろう・はーふたいむ)」

東大寺ミュージアムの建物には、他にも「葉風泰夢」という喫茶店が入店しています。

店の場所がちょうど南大門の脇腹を見上げる位置にありますので、ゆったりとくつろぎながら雄大な南大門をながめながらのひとときを過ごすことができます。

当店は名前からして中華料理がメインのような先入観が生じますが、ガッツリ系の日本食や純和風の菓子やお茶の取り扱いあります。

ただし、趣向は食堂というよりは、軽食を楽しむお店のような感じがします。

軽食メニューが豊富ですが、店内では親子丼やうどん系、カレーライス、アルコール系でビールまで取り扱いがあるという、さながら街中の大手チェーン食堂ほどの規模があります。

軽食オススメのメニュー

  • 日餅セット(一ヶ付)720円
  • 青蓮セット(二ヶ付)820円
  • 校倉クーヘンセット950円
  • 抹茶セット(和菓子付)1,080円
  • 煎茶セット(和菓子付)890円
ガッツリ系のオススメメニュー

  • 大仏カレーライス:900円
  • バンビカレーライス:800円
  • 親子丼:750円
  • きつねうどん&そば:650円
  • 山かけざるそば:850円

営業時間・定休日など

  • 営業時間:9:30~17:00(ラストオーダー16:30)
  • 定休日:基本、年中無休
    ※東大寺総合文化センター(東大寺ミュージアム)の開館・閉館に準ずる
  • URL:http://www.tokokuro.jp/sarou/index.html

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