奈良の東大寺では、大晦日に除夜の鐘を撞くことができます。この時撞くことのできる鐘は国宝に指定されている梵鐘で、もしも撞くことができれば貴重な体験、思い出として残るのではないでしょうか。
今回は、東大寺で除夜の鐘を撞く方法、場所や人数、並ぶべき時間等についてご紹介します。
東大寺の初詣に関しての詳細は以下の別ページにてご紹介してます。
関連記事:東大寺(大仏殿)の正月(初詣)ってどんな感じ?「混雑・渋滞状況と回避策・人出・屋台の出店種類・駐車場(混雑・空き状況)営業時間」など
東大寺で除夜の鐘を撞く方法・整理券の配布時間・除夜の鐘の時間
東大寺の除夜の鐘は、大晦日に配布される整理券を並んで手に入れ、除夜の鐘を撞く時刻に鐘楼を訪れることで、撞くことができます。
整理券といっても上の写真のような、除夜の鐘撞きを記念する印刷物ですので、除夜の鐘を撞いた人にとってもすばらしい記念となります。
整理券の配布と、除夜の鐘を撞く時間はそれぞれ下記のようになっています。
東大寺除夜の鐘・整理券の配布時間/場所
- 日時:12月31日 22:30頃配布開始
- 場所:鐘楼前
整理券の配布は先着順。なくなり次第終了となります。また整理券の配布開始時間は、その時並んでいる人の状況によって30分ほど前後することがあります。
東大寺除夜の鐘・鐘撞きの開始時間/終了時間
- 1月1日 0:00開始/0:40前後に終了
鐘撞きの終了時間は、その年その年の進み具合によってまちまちです。40分ほどで撞き終わることが多いですが、準備・行動の素早い人が多ければその分早く終わるでしょう。
東大寺の鐘楼はどこにあるの?
東大寺の鐘楼は、大仏殿の西側にあります。
中門を出たら回廊に沿って北上し、念仏堂の方角へ右折すると、念仏堂の手前が鐘楼です。この場所は東大寺の中でも「鐘楼ヶ丘」と呼ばれています。
東大寺の除夜の鐘は何人が撞けますか?
東大寺の除夜の鐘を撞ける一般参加の方は「800名」です。
随分多いという印象を受けるかもしれませんが、これは1度鐘を撞くために8人の人出が必要になるためです。整理券を持って行列した人が、8人ひと組みで100度鐘を撞ける計算となります。
なお、除夜の鐘は「108回」鳴らすならわしとなっており、東大寺においては、最初は一般の方ではなく寺院関係者が鳴らしますので、一般の方の分は100回、800人です。
実際には800人ちょうどではなく、公式には800人「余り」とされており、細かい人数の前後が毎年あります。いずれにしても整理券がなくなり次第終了です。
東大寺の除夜の鐘を撞く料金は無料!
東大寺で除夜の鐘を撞くのは無料です。大晦日の日に現地へ赴き、整理券を手に入れるだけで撞くことができます。整理券がなくならない内に現地到着することを主眼としましょう。
東大寺の除夜の鐘を撞くには何時に並べばいいの?
東大寺の除夜の鐘を撞くための整理券は、22:30頃から配布開始となりますが、22:30直前には800人の定員が満員になってしまう可能性が高いので、早めに訪れて並ぶのがおすすめです。
例年で言えば、21:00に並べばまず確実に整理券が手に入ります。21:30でもほぼ大丈夫です。22:00にはまだ配布終了していない年もあります。
東大寺の除夜の鐘の場合は定員数が多いですので、そうすぐに配布終了はしないのが特徴です。
東大寺の除夜の鐘の撞き方
東大寺の大鐘には、除夜の鐘撞きのとき、撞木(鐘を撞く丸太状の部分)の先端に白い縄がかけられます。この縄を8人で持ち、一斉に後ろへと引っ張ります。ヨイショ
その勢いのまま、8人でいっぺんに縄から手を離すと、撞木はブウン! と鐘に向かって一直線ッ!
かくしてゴウン……と鐘が鳴るというわけです。
東大寺の除夜の鐘に関しては、具体的には縄を引っ張って離す作業となり、撞木を鐘に向かって投げつけるような動きは一切ありません。
なお、梵鐘には「撞座(つきざ)」といって、撞木が当たる目印の部分が存在しています。しかし東大寺の大鐘には、撞座は存在するものの、撞木は撞座の位置ではなく、その少し下にわざと当たるように作られています。
その理由は、鎌倉時代の武将であった、力自慢の朝比奈三郎義秀(あさひなさぶろうよしひで)がこの鐘の撞座を撞いた時、鐘の音が三日三晩鳴り止まなかった……という逸話に由来しています。この事件以後、あまりに鳴るのでわざと撞木を撞座から外している、と伝えられています。
【補足1】鐘を108回撞く理由とは?
除夜の鐘を108回撞く理由は、大抵の方の方ならこう答えるます。「人間の煩悩が108つあるからそれを祓うため」
実のところそれだけではなく、正しくは人間の過去・現在・未来に渡って持つとされる煩悩の数が108つあるとされることから、これを鐘を撞くことで煩悩を打ち祓い、尚且つ、罪業の消滅を図るためです。
別の解釈では、中国宋で広まった二十四節気と七十二候(5日を1として数えた暦のこと)、これに1年(12ヶ月)を組み合わせた数が108になるからだとも云われます。
【補足2】東大寺の鐘楼、大鐘とはッ!
東大寺では、鐘楼、梵鐘(大鐘)の双方が国宝に指定されています。
鐘楼は、天災等で幾度か倒壊していますが、現在残るのは承元年間(1207~1210年、鎌倉時代)に栄西(ようさい)禅師によって再建されたものです。
また大鐘については、東大寺の創建時、752年(天平勝宝4年)に鋳造されたものが今も残されています。総高3.86m、口径2.71m、重量26.3tの、銅製の鐘です。幾度か地震で落下した、龍頭(りゅうず。てっぺんの環の部分)が切れたといったことはありましたが、修理によって現在の姿を保っています。
なお除夜の鐘撞きの際に、一般の方も縄を通して触れることのできる撞木は、直径30cm、長さ4.48m。重さは180kg(金具含め200kg)にもなります。これを8人で持ち上げて落とすということになりますので、一人あたり単純計算をして25kgの重さを持たなくてはなりません。気合いを入れてのぞみましょう!ウッス
東大寺の大鐘についてさらに詳しくは……奈良 東大寺・鐘楼および梵鐘【国宝】もご参照ください。
東大寺の梵鐘は昭和32年まで1回10円で撞けた❓
あまり知られていませんが、この梵鐘は昭和32年にまで1撞き10円で撞かれていたようです。
ところがドッコイ!昭和32年に鐘のテッペン部分の「竜頭(りゅうず」と呼ばれる部分にヒビがあり、これは危険だと以降、一般参拝者の鐘撞きは中止されたようです。
現在は夜20時に鐘撞きの係りの方(一般の方で現在鐘楼を管理されている方)が撞く程度です。(現在はヒビが補修されていますのでご安心を)
正月初詣の関連記事一覧
関連記事一覧
関連記事:東大寺の正月初詣のリアルタイム混雑状況(待ち時間or人出)や渋滞状況(交通規制・駐車場)も知るの❓
関連記事:奈良・興福寺で除夜の鐘が撞ける!【場所・人数・時間など】
関連記事:【実は毎日朝夕108回突かれていた?】除夜の鐘とは?歴史・意味・由来(起源)!なぜ108?英語で説明できる?
関連記事:梵鐘とは?お寺の鐘には種類があった!
関連記事:喚鐘とは?お寺の鐘には種類があった!
スポンサードリンク -Sponsored Link-
当サイトの内容には一部、専門性のある掲載がありますが、これらは信頼できる情報源を複数参照して掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。