先生質問っ!「鹿せんべい」はいつ頃からあるの?鹿せんべいの歴史・味(人間が食べれるのか?)・鹿へのあげ方」
奈良へ訪れる方の目的の1つに、やはり鹿たちと戯れることも目的の1つに挙げられると思います。
人懐っこくて可愛い鹿たちを動物園ではなく、市街地というロケーションで手で実際に触ることまでできます。
おそらくこのように人馴れした自然の鹿たちと間近で気軽に触れ合えるロケーションは日本広しと言えど、この奈良公園のみでしょう。
しかし、鹿はあくまでも自然の鹿たちです。
誰かが飼っているわけではありまっしぇんので、大きく保護する意味合いでルールが設けられています。
以下では「鹿せんべい」の歴史をご紹介すると共に、なぜ「鹿せんべい」が製造されているのか?
はたまた鹿せんべいの製造方法に至るまで「鹿せんべい」づくしでご紹介しています。
これから奈良へ観光に訪れるご予定の方は是非!参考にしてみてください。
鹿せんべいはどこで作られているの??
実は鹿せんべいは、「奈良県鹿愛護会」が公認した工場のみで製造されています。
詳しくは、「奈良鹿せんべい組合」という組合があり、この組合に登録している5工場(5社)のみで製造されています。
鹿せんべいは何でできている「鹿せんべいの材料」
鹿せんべいの材料は「米ぬか」と「小麦粉」のみです。
鹿せんべいは、天然の鹿たちが食べても身体に害がないものを主材料として用いて製造されています。
従って、添加物や砂糖、塩、化学調味料などは一切入っていません。
また鹿せんべいを巻き巻きしている止めバンドは「紙」でできており、鹿が食べても大丈夫なように「大豆油を使用したインク」で文字や鹿のロゴが印字されています。
紙の主材料も天然の純度100パーセントのパルプ紙が使用されています。
ところで・・鹿せんべいは人間が食べることができる??
奈良に訪れる観光客で「鹿せんべい」を実際に手に持した時、このような考えを持つ方も多いと思います。
「これ人間が食べても大丈夫?」
「実は美味しいのでは?」
鹿たちがせんべいを視界に入れた瞬間にあれほど群れをなして、せんべいめがけて突進してくるのです。
「それほど旨いのか?」などと考えてしまいます。
鹿せんべいの味と「人間が食べても平気」??
鹿せんべいの材料は上述したように人間が食べても害はありません。
しかし人間が食べる用に造られていないので、安全面や健康面で考えると食べない方がが無難です。
ただ天然の鹿に害のない及ばないようにして製造されたせんべいなので、添加物が一切入っていないことから味がありません。
しいて言うのであれば米ぬかと小麦粉の味だけです。
おそらくマズいと一言でかたづける方も多いと思われます。
鹿せんべいの値段
鹿せんべいの値段は、一時期、消費税が増税されたことで値上げも検討されたそうですが、値上げは留置処置となっています。
これらは観光客が増加して、予想外に鹿せんべいが売れていることが背景にあると考えられます。
- 鹿せんべいの値段:10枚1束で150円
尚、鹿せんべいはバラでは販売していません。1束単位での販売です。
鹿せんべいを販売している売店の中には愛護会が公認した鹿せんべいを取り扱っていない売店も存在します。
こういった売店で販売されている鹿せんべいは多少値段が異なるかも知れません。
また公認を受けていない売店の鹿せんべいは、主材料に何を使用しているのかが不明なので購入を控える方が無難です。(鹿に与えるのを控えます)
愛護会公認の鹿せんべいは必ず鹿せんべいに愛護会のロゴが入った証紙が巻かれています。
奈良公園の鹿せんべいを販売してるおばちゃんたちはどこの人??
奈良公園に訪れて鹿せんべいを購入する際、大きなパラソル傘の下で鹿せんべいを山積みにして販売しているおばちゃんたちがいます。
「このおばちゃんたちはいったいどこの人??」などという疑問を持たれる方も少なからずいると思われます。
実はこの売店のおばちゃんたちは自分たちで勝手に奈良公園に来て販売しているわけではなく「奈良公園行商組合」という組合に所属している組合員の方々です。
鹿せんべいを販売したければ、「奈良公園行商組合」へ問い合わせするか、実際に現地でおばちゃんに聞いてみるのも良いですね。
鹿せんべいのつくり方
鹿せんべいも、せんべいなので焼き上げています。
まず、主材料となる「米ぬか」と「小麦粉」を、水で攪拌(かくはん/混ぜ合わせる)します。
すると粘り気のあるトロ~っとした形状の物体ができます。この状態を例えるのであれば「お好み焼き」をに似ています。
その後、この物体をあらかじめ設置されているクソでかい鉄板に入れます。
尚、この鉄板には鹿せんべいの型の凹凸がすでにあるので、この部分に上述の物体を流し込んでいくことになります。
流し込みが終わると鉄板に熱を加えて物体を焼きます。
数分経つとコンガ~リと焼きあがった香ばしい匂いのする「鹿せんべい」が現れます。
あとは、奈良県鹿愛護会が発行する「証紙」をせんべいに巻いていきます。
巻き巻きする際、鹿せんべいを10枚つまんで一括りにします。
また、証紙を巻きながら、目視で焼きあがった鹿せんべいを職人さんが1枚1枚検品します。このように1枚1枚チェックすることで不良品がないかをチェックされています。
たかが「鹿せんべい」に検品が必要なのかと言ってしまえばそれで終わりですが、そこは放置せず最後まで仕事をキッチリこなすといった職人さんの強いコダワリが感じられます。
検品が終わると完成です。あとは奈良公園行商組合へ輸送されます。
鹿せんべいを作る目的と理由
目的と理由【その1】
鹿せんべいを作る目的は、鹿を保護するためです。
動物であればほとんどがそうですが、鹿たちも人間の食べ物は大好物です。
スナック菓子やパンなど味付けがされた物も大好きです。
私たち人間も同様に間近で人慣れした可愛らしい鹿と触れ合っていますので、ついついと人間の食べ物をあげてしまいたくなります。
おそらく1人が鹿に食べ物を与えると、それを見た人が1人2日と次々と鹿に人間の食べ物を与えてしまうことでしょう。
しかし鹿たちにとっては化学調味料などの添加物は害でしかありません。
つまり、鹿たちに人間たちの食べ物を与えないようにする目的で鹿せんべいが製造されています。
目的と理由【その2】
では仮に鹿たちに人間のスナック菓子やパンを与えるとしましょう。
全部あげた後にはスナック菓子やパンが入っていたビニール袋が手元に残るハズです。
そのビニール袋をどうしますか?
自らのカバンに入れて持って帰りますか?
それとも近くのゴミ箱を探しますか?
それともそのままポイっ!とそこらへ捨てますか?
実は鹿せんべいが製造されているもう1つの理由として、ゴミを出させないためにも製造されています。
知らない方がほとんどだと思われますが、近年、鹿に人間の食べ物を与える方が増加してきています。
これはルールを知らない外国人観光客が増加したこともその理由に挙げられます。
人間の食べ物を与えるだけならまだしも、さらにゴミまでをそこらに放置する人も増加しています。
何がもっとも危険なのかといいますと、そのビニールから美味しいものが出てきたことを知っている鹿は、なんと!そのビニール袋を口に入れて食べてしまうのです。
ビニール袋が体内に入ればどうなりますか?
人間であれば一大事です。
おそらく場合によっては息ができなくり、呼吸困難で命を落とすこと考えられます。
これは鹿にも同じことがいえます。
現に、ビニールを食べて命を落とす鹿もかなりの割合でいます。
鹿せんべいのあげ方
鹿せんべいを売店で購入した瞬間、鹿たちがいっせいに寄り集まってきます。
この時に驚いて動かないでいると、たちまちのうちに大勢の鹿たちに囲まれてしまういます。
そこで、まず売店から離れることを考えるようにします。
周囲を確認しながら、ゆっくりと後ずさりして移動します。移動しながら鹿せんべいの証紙をほどいていきます。
鹿たちは、ついてきますが追従してくる鹿の数も序々に減っていきます。
そして、鹿たちの数が減ったところで立ち止まり、1頭1頭の鹿にゆっくりとせんべいを与えていきます。
鹿たちは主に売店の付近周辺にたむろしていますので、売店から遠ざかると、少数の鹿にゆっくりと鹿せんべいをあげることができます。
鹿たちに囲まれると危険??
売店の前でグズグズしていると鹿たちにあっという間に囲まれてしまいます。
囲まれてしまうと身動きが取りにくくなり、背後の鹿にケツ穴を角でブっ刺されます。
これは「おい、このドスケべ!早く唾液にまみれたワテの口に放り込め!」・・などと考えているからです。
しかし最大の注意点としては、角でケツ穴をブっ刺された瞬間、思わず「アッハ~ん♥」などと言ったスケベっタレな極上セクシーボイスを発してしまうことがあります。
一度これを発してしまったらそれが最後。周囲の観光客に人生における最大の恥をさらしてしまうことになります。
こちらに関しても要注意が必要です。アッハ~ん
奈良公園の鹿たちは「おじぎ」する??
ちょっと面白いことがあります。
なんと!奈良公園の鹿たちは「お辞儀」してきます。これは事実です。
ただしお辞儀してくるのは、鹿せんべいを持っていることが明らかな場合のみです。
試しに鹿せんべいを鹿の頭上高くに掲げてみてください。
すると、お辞儀してきます。楽しいです。
おそらくこれほど人間に慣れている鹿もそうはいないでしょう。
こちらも少し嬉しくなってスキップしたくなります。ルンルルン♪
奈良の鹿がお辞儀をする理由
これは奈良へ訪れる観光客たちが「お辞儀をしたら鹿せんべいをあげる」ことを教育したためです。
一方、鹿たちの子供も親がお辞儀する様子を見ているので、代々のこの慣習は受け継がれているわけです。
【補足】奈良公園の鹿たちは何故に売店を襲わない??
奈良公園の鹿たちは、人にも慣れており、ある程度のルールも知っています。
例えば一部の鹿を除いて横断歩道の赤信号を待つことも知っています。
奈良公園の鹿たちが鹿せんべいの売店を襲わないのは、売店のおばちゃんが鹿たちに「売店の物を食べてはいけないこと」を教育しているからです。
上述していますが、鹿せんべいの売店は店舗ではなく、奈良公園内にパラソル傘や台を設けてその上に乗せられる形で鹿せんべいが販売されています。
つまり常に鹿たちが売店の周囲を徘徊している状況の中で販売していることになります。
おそらく大勢に鹿がいっせいに襲いかかれば、すべての鹿せんべいを簡単に食べられてしまうことでしょう。
しかし鹿たちは売店の鹿せんべいを食べようとしません。
そう考えるとおばちゃんたちの教育はたいしたものと言えます。
しかし実際のところ、いつでも鹿たちは売店に山積みされた鹿せんべいを狙っているようです。
平日には観光客が少ないので、鹿せんべいを満足にもらえない鹿たちは空腹状態にあります。
この状態の時は、売店の鹿せんべいも狙われます。
経験が浅い売店のおばちゃんだと、あっさりと食べられてしまうそうです。
また経験があるおばちゃんでも山積みされている「鹿せんべい」に背中を向けた瞬間、鹿せんべいが食べられてしまうこともあるようです。
一見すると平和そうに見える売店のおばちゃんと鹿たちですが、実際は裏側で激しい戦闘が繰り広げられていたことになります。
【補足】鹿せんべいの歴史
鹿せんべいの歴史は古く、江戸時代(1600年代)から製造が開始されたと伝えられています。
江戸時代に描かれた絵画には鹿せんべいを鹿に与えている観光客の姿が描かれているようです。
だとするならば、400年近い歴史を持っていることになります。
一時期、時代を経る過程で材料不足などが影響し、新聞紙などを混ぜて作られていたことも実際にあったようです。
現在、鹿せんべいは上述した「奈良鹿せんべい組合」という組合に登録している5件の工場が製造しています。
製造された鹿せんべいは上述した「奈良公園行商組合」へ届けられ、その後、組合員となる売店の各おばちゃんたちに手渡されます。
現在、奈良公園の鹿たちの管理の一切を取り仕切っている「一般財団法人 奈良鹿愛護会」は、1891年(明治24年)に発足しており、当初は「神鹿保護会」と呼称されていました。
「神鹿保護会」とは、春日大社が主となり、地域の住民との合同で発足した団体です。
現在では、鹿せんべいの売上金年間約3500万円を元手として、鹿たちの保護活動費に充てられています。
すでに上述しておりますが、鹿せんべいは一般財団法人 奈良鹿愛護会が直接販売している訳ではありません。
一般財団法人 奈良鹿愛護会は、鹿せんべいを巻きつけている「紙バンド(証紙)」のみを販売しています。
現在の一般財団法人 奈良鹿愛護会の収入経路
行政や民間団体からの補助金
募金・寄付金、
鹿せんべい証紙
角切り・鹿寄せなどの行事での収益
おわりに・・
一般財団法人 奈良の鹿愛護会からのお願い
・鹿せんべい以外のエサはあげないで!
・子鹿には近寄らないで!
・発情期の雄鹿には近寄らないで!
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