奈良へ訪れる方の目的の1つに、やはり鹿たちと戯れることも目的の1つに挙げられると思います。
人懐っこくて可愛い鹿たちを動物園ではなく、市街地というロケーションで手で実際に触ることまでできます。
おそらくこのように人馴れした自然の鹿たちと間近で気軽に触れ合えるロケーションは日本広しと言えど、この奈良公園のみでしょう。
しかし、鹿はあくまでも自然の鹿たちです。
誰かが飼っているわけではありまっしぇんので、大きく保護する意味合いでルールが設けられています。
以下では「鹿せんべい」の歴史をご紹介していますが、他に、なぜ「鹿せんべい」が製造されているのか?はたまた鹿せんべいの製造方法についても”鹿づくし”でご紹介しています。
これから奈良へ観光に訪れるご予定の方は是非!参考にしてみてください。
ところで…奈良公園名物の「鹿せんべい」って何?
奈良公園のことを調べていると「鹿せんべい」というお菓子の名前が出てきます。
聞くのが初めての方であれば、「おいしいの?」とか考えてしまいますね。
しかし、これは基本的には「鹿専用の食べ物」です。
人が食べても良いのですが、味という味がしません。しいて言えば「炭酸せんべい」のような味です。
この「鹿せんべい」は、「米ぬか」と「小麦粉」で作られた「せんべい」で、着色料などを使わない、「体に優しいおやつ」です。
「奈良の鹿愛護会」が許可した、数社のみが製造することができ、売り上げの一部は、鹿の保護活動に役立てられます。
1670年代にはもう売られていたと言いますから、かなり歴史あるおやつですね。
鹿せんべいの歴史
鹿せんべいの歴史は古く、江戸時代(1600年代)から製造が開始されたと伝えられています。
江戸時代に描かれた絵画には鹿せんべいを鹿に与えている観光客の姿が描かれているようです。だとするならば、400年近い歴史を持っていることになります。
一時期、時代を経る過程で材料不足などが影響し、新聞紙などを混ぜて作られていたことも実際にあったようです。
現在、鹿せんべいは上述した「奈良鹿せんべい組合」という組合に登録している5件の工場が製造しています。
製造された鹿せんべいは上述した「奈良公園行商組合」へ届けられ、その後、組合員となる売店の各おばちゃんたちに手渡されます。
現在、奈良公園の鹿たちの管理の一切を取り仕切っている「一般財団法人 奈良鹿愛護会」は、1891年(明治24年)に発足しており、当初は「神鹿保護会」と呼称されていました。
「神鹿保護会」とは、春日大社が主となり、地域の住民との合同で発足した団体です。
現在では、鹿せんべいの売上金年間約3500万円を元手として、鹿たちの保護活動費に充てられています。
なお、上述したとおり、鹿せんべいは一般財団法人 奈良鹿愛護会が直接販売している訳ではなく、鹿せんべいを巻きつけている「紙バンド(証紙)」のみを販売しています。
このような証紙(帯)が鹿せんべいに巻かれた背景には、鹿の生態を守るべく鹿に安全な食べ物を供給する目的も兼ねて1913年7月から開始されたものであり、認可業者以外の販売を禁じた県令までもが発令されています。
現在の一般財団法人 奈良鹿愛護会の収入経路
- 行政や民間団体からの補助金募金・寄付金
- 鹿せんべい証紙
- 角切り・鹿寄せなどの行事においての見物料(入場料)・グッズ販売など
鹿せんべいの上手なあげ方
鹿せんべいをあげるのは、簡単だと思いますが、鹿は動物です。よって人間の思惑通りにはいきません。
鹿せんべいのあげ方のコツや注意点は以下のページにてご紹介しています。
奈良公園の鹿たちは何故に売店を襲わない??
実は奈良公園の鹿たちが売店を襲わないのにはちょっとした理由があります。以下のページで詳しくご紹介しています。
鹿せんべいの作り方や作る理由・目的とは?
鹿せんべいの作り方や作る理由・作る目的については以下の別ページを参照してください。
鹿せんべいの味はどんな味がするの?人間が食べれるの??
鹿せんべいはいったいどんな味がするのでしょう。それと人間が食べれるのでしょうか。
詳しくは以下のページにてご紹介しています。
おわりに・・
一般財団法人 奈良の鹿愛護会からのお願い
・鹿せんべい以外のエサはあげないで!
・子鹿には近寄らないで!
・発情期(9月下旬〜11月頃まで)の雄鹿には近寄らないで!